薬膳で気・血・水を調えて未病に寄り添う

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こんにちは!薬膳コーディネーターのミクリです!

みなさんは「薬膳」と聞いてどんなイメージがわきますか?

「なんだか難しそう」
「なんとなく体に良さそうだけど いまいちよく分からない…」

薬膳という言葉は聞いたことがあるけど、なかなかイメージがわかないという方も多いのではないでしょうか。

薬膳とは「食材の持つはたらき」で体の中の「気・血・津液」を調える食事です。

また、「気・血・津液」がうまく巡らずに、体や心に不調が出ている状態を、中医学では「未病」と呼びます。
「なんか調子が悪いけど病院にいくほどじゃない」そんな状態のことですね。

自分や家族の未病へ、やさしく寄り添うことができるのも薬膳の魅力です。

この記事を読むと

  • 私たちの体をつくる「気・血・津液」のはたらきについてわかる
  • どんな目的を持って薬膳を暮らしに取り入れたら良いのかがわかる

少しでも、暮らしのワクワクにつながってもらえたら嬉しいです!

薬膳とは

薬膳とは食材が持っているはたらきを使い体や心の不調を整えていく食事です。

ただ、「カゼにはこの食材」「頭痛にはこの食材」と、症状に対して食材が決まっているわけではありません。
薬膳は食材のもつ力で、体の「気・血・津液」のはたらきを整える食事法です。

気・血・津液

私たちの体は「気・血・津液」のはたらきによって日々を過ごすことができています。

  • 気・・・体を動かすエネルギー
  • 血・・・血液を含む体に栄養を届けるはたらき
  • 津液・・・体をうるおすもの

「気・血・津液」が不足することなくスムーズに流れている状態。
それが、体も心も健康な状態です。

逆に「気・血・津液」が不足していたり、うまく流れていない状態が「不調」や「体質」として表れるのです。

  • 気虚・・・気が不足している状態
  • 気滞・・・気の流れが滞っている状態
  • 血虚・・・血が不足している状態
  • 血瘀・・・血の流れが滞っている状態
  • 陰虚・・・うるおいが不足している状態
  • 痰湿・・・余分な水が溜まり滞っている状態

気・血・津液のはたらき

【気】

気ちゃん

私たちは、臓腑がはたらくことで、動く・考える・感じるなどして生活しています。
気は、その臓腑がはらたくためのエネルギーです。

また、気は体を守る免疫力のようなはたらきもしています。

気が不足した状態を「気虚」と言います。

疲れやすい・カゼを引きやすい・朝起きるのが苦手・体全体に冷えを感じる
などの不調を感じます。

気が滞っている状態を「気滞」と言います。

イライラする・ため息よく出る・お腹が張りやすい・のどの詰まりや違和感
などの不調を感じます。

【血】

血ちゃん

血は血液も含めた、全身をめぐり栄養を届けるはたらきのことです。
つまり"血が不足"とは血液の不足を意味しているのではなく、"栄養を届けるはたらきが不足している”という意味になります。

心を満たしているのも血のはたらきで、精神的な安定も支えています。

血が不足した状態を「血虚」と言います。

顔が青白い・立ちくらみ・抜け毛・目の疲れ・不眠
などの不調を感じます。

血が滞っている状態を「血瘀」と言います。

くちびるが黒ずむ・シミやそばかす・肩こり・重い生理痛・手足の冷え
などの不調を感じます。
※似ている言葉で「瘀血」は滞っているもの自体を指します。

【津液】

津液ちゃん

津液は、唾液・汗・涙など体をうるおすものです。
血液以外の栄養を含む水分のことで、全身をめぐる「津」と特定の場所を満たしてうるおす「液」に分かれます。

水が不足した状態を「陰虚」と言います。

顔がほてる・乾いた咳が出る・目が乾く・よく寝汗をかく
などの不調を感じます。

体に余分な水が溜まり滞っている状態を「痰湿」と言います。

むくみ・体が重だるい・めまい・痰が出る・車酔いしやすい
などの不調を感じます。

「中医学 体質タイプ」で検索すると体質チェックができるサイトがたくさん出てきます。
自分が今どんな体質なのかチェックできるのでぜひ試してみて下さい。

「未病」に寄り添う薬膳

なんか調子悪いけど病院に行くほどじゃないよね…

私っていつもイライラしてるなぁ…

こんな、日常の中で感じているもやもやは「気・血・津液」のはたらきが崩れているせいでもあるのです。

この状態を中医学では「未病」と呼びます。

未病とは

未病とは、「健康な状態」と「病気の状態」の、間にある部分のことです。

日常的に感じる

  • だるい
  • よく眠れない
  • 冷えを感じやすい
  • 疲れやすい
  • イライラしやすい

などの「なんとなく感じる不調」のことですね。

この未病の状態を放置した結果が「病気」につながる可能性があるのです。

薬膳で未病を改善

疲れやすいんです…

イライラしすぎて自己嫌悪です…


実際に、このような症状で病院には行きづらいですよね。
検査をして「異常は無いです」なんて言われたら「気のせいだ」と言われているようでちょっと悲しくなってしまいます。

そこで、この未病に優しく寄り添うのが薬膳なんです。

薬膳は、不調の原因となっている体質に合わせて食材を選ぶのが基本です。

【体質別】食材のはたらき

気虚・・・気を補う「補気」の食材

不足したエネルギーを補って、臓腑のはたらきを高めます。

じゃがいも・さつまいも・栗・インゲン豆・米麹・うなぎ・牛肉・鶏肉・桃 など

気滞・・・気を巡らせる「理気」の食材

臓腑のはたらきを調整して、滞ってめぐりが悪くなった「気」の流れをスムーズにします。

春菊・セロリ・パセリ・玉ねぎ・えんどう豆・オレンジ・みかん・蕎麦 など

血虚・・・血を補う「補血」の食材

不足した体に栄養を届ける力を補って、臓腑のはたらきを高めます。

鶏卵・イカ・タコ・豚レバー・カツオ・ぶどう・にんじん・ほうれん草 など

血瘀・・・血を巡らせる「活血」の食材

臓腑のはたらきを調整して、滞ってめぐりが悪くなった「血」の流れをスムーズにします。

チンゲン菜・玉ねぎ・ニラ・にんにく・さば・いわし・さんま・紅麹 など

陰虚・・・うるおいを補う「補陰」の食材

不足したうるおいを補って、臓腑のはたらきを高めます。

山芋・アスパラガス・白きくらげ・ごま・豚肉・ホタテ・豆腐・乳製品 など

痰湿・・・余分な水を排出し、巡らせる「利水」の食材

体の水分代謝をサポートして、余分な水を排出しめぐりを良くします。

ゴーヤ・とうもろこし・きゅうり・もやし・小豆・はと麦・わかめ・昆布 など

その他にも、

  • 体を温めたり、余分な熱を冷ますなどのはたらき
  • 五臓(肝・心・脾・肺・腎)にはたらきかける食材

など、食材のはたらきはさまざまなものがあります。


「体は食べたもので作られる」と言われるように「気・血・水」は食べたものから作られます。
また、体調の崩れに大きく影響しているのが食生活でもあるということです。

日常で感じる気・血・水の崩れ。
薬膳は、そんな不調に毎日の食事で寄り添うことのできるセルフケアのひとつだと私は思います。

毎日の食事で、気・血・水の調った心地よい体づくりを始めてみませんか?

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この記事を書いた人

mikuriの、ホリスティックな暮らし。

体と心に届くholisticな東洋医学セルフケア
ゆるめて、ほわんと、しなやかに